オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
『とにかく、ジュン君のお祖母ちゃんの怒りがスゴくて。
今日にも仙台に連れ戻すために、実家から迎えが来るって。
寮じゃ生徒の安全の為とかいう名目で人の出入りを厳しくチェックしてるみいだし、ジュン君のケータイは勝手に解約されたみたい。
今じゃ郵便物とかすらチェックされてんだって』
「そうだ!ならさ、マモル君とナル君に協力してもらおうよ」
あたしはそう言ってみたけど、チカにあっさり一蹴された。
『どっちもダメだよ。2人ともユリとは親しくしてたから、近づくのも止められてるってマリリンから聴いた。
だから他の方法を探さなきゃ』
チカの困った声を聴いて、あたしはピンとある方法を思いついた。
「ジュン君のお迎えは何時に来るの?」
『転校手続きもあるから早めで、確か8時くらいだって』
チカの情報を心に刻みつけ、あたしはチカにユリに連絡を取ってタクシーも呼んでもらうよう頼んだ。
今からユリの家に2人で行くからと。
この方法しかあたしは考えつかないけど、どうかうまく行きますように。