オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
「危ないでしょうが!なんで待ってくれないのよ」
あたしが猛抗議すれば、ナギはいつもの澄まし顔で答えた。
「おや、ドアに張り付いてたのはコメツキバッタと思っていたんだが。
違ったか、花咲きアタマ。
成功を阻害する不確定要素を取り除こうとしただけなんだがな」
「誰が不確定要素……と、ゴホン」
あたしはせき払いをして、直ぐに口をつぐんだ。
珍しくナギも黙り込む。
そりゃあそうだよね。
「ユリ、ごめんな。俺の実家がごく普通の家庭だったら、こんな苦労はさせないのにさ。
だから俺はこれ以上ユリに苦労をかけたくなくて……一度は本気で仙台に行こうと思ったんだ。
俺と一緒にいると、おまえを不幸にする気がしてさ。
でもやっぱり……出来ねえ。
俺はユリが大好きだ。
世界中の誰よりも愛してるし、離したくない。
こんな情けねえ俺だけどさ、着いてきてくれるか?
いろんな困難も辛苦もあるかもしれねえけど、俺はおまえとだったら乗り越えられる」