オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
3
マモル君とナル君たちを送った後、あたしはなぜかナギを家に上げる羽目に陥ってた。
ナギの顔を使って取り調べられてたチカも拾って、家に送り届けて。
その後は用事が済んだとばかりに車が走り去ったから、チカの家の近所である自分の家にあたしが帰るのはごく自然なことだけど。
だからといって、まだ冷える朝方にナギをそのまんま帰すのは居たたまれないから、仕方なく家に上げる事にしたんだけど。
そういえば……
マモル君と博君を何度も上げてるのに、ナギを家に入れるのは初めてなんだよね。
……あんな事があったのに。
思い出したら急に気恥ずかしくなって、なんだか軽い緊張感を覚えた。
ナギには居間のテーブルに座ってもらって、あたしはお茶を淹れるからと彼から逃げた。
……なんでこんなに息苦しいんだろ……
ナギが同じ家にいるってだけで、こんなにも苦しいのに。
なんで心地いいなんて、相対する事を思うの?