オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
アリスとナギと生命と
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春たけなわの4月。
日もだんだんと長くなって草木の勢いも増し、道端でも色とりどりの花が目につく季節。
かぐわしい水と緑の薫風。
やわらかく肌を暖める陽の光。
燦然と輝く水面の下には新しい生命が宿り、また生まれくる。
生命が躍動する、あたしの大好きな季節。
あたしが通う県立青緑高等学校でも、4月6日に入学式を迎えて新しい年度が始まった。
今年の新入生は260人と、去年のあたしたちより人数が減っていた。
青緑高校には男女共学の普通科以外にも、生活総合科と情報科がひとクラスずつある。
あたしたちが受験するまで募集定員はそれぞれひとクラスずつ40人だったけど、今年度からはひとクラス35人に減らしたため、自然と人数が減っちゃったと言うわけ。
「県の教育委員会が決定したコトやけど、やっぱし少子高齢化の影響だよね~。
なんだか寂しいわさ」
新入生が新しい教室に向かって、在校生のあたしたちが入学式の後片付けをしてるときにチカが言ったけど。