オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】



その晩の午前1時過ぎ。

薔薇を見たいと絹枝さんはあたしを起こしたから、あの薔薇園に連れ出すために介助した。

できる限り本人には気付かれないようにさり気なく助けるのは、けっこう気も体も疲れるなあ。

あたしはそんな事を考えながら、絹枝さんを伴って二階の薄暗い廊下を歩いてた。


みんなは昼間の労働で疲れたからか、聞こえるのは静かな寝息と外からの風音だけ。

……もとい。

「そんなによそわれてもシチュー食べきれないよ~誰か食べて」

だとか。

「794(なくよ)ウグイス平安京~いいくにつくろう鎌倉幕府~」
だとかの寝言を博君がぶつぶつ呟いてたから、静かって言い難かったかも。


博君も小学校の歴史の授業で教えてもらったのかな、歴史の語呂あわせ。

後はどんなのがあったっけ?

水兵りいべ、ぼくのお船……

と、これは元素周期表の覚え方か。

でも、歴史の覚え方の語呂あわせはあたしの小学校の頃と変わらないんだなあ。

博君が5年生に進級して担任になった先生も、そんな語呂あわせで覚えたのかな?



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