オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
ナギによれば、電気系等の配線故障が原因と言うことで、あと数分後には非常用発電機が動作するって毒舌混じりに教えてくれた。
まあ、ナギには本当の原因がアプレクターだって判ってるだろうけど。
あたしは携帯電話を閉じると、暗闇越しにお父さんにそれを伝えた。
どちらも安堵したからか、緊張が解けてなんとなく垣根が取り払われたような気がした。
「杏子、おまえは……その、専務とお付き合いしてるのか?」
躊躇いがちながら、お父さんははっきりとあたしに訊いてきた。
あたしには、彼を好きな事を隠す理由なんかない。
「うん、あたしナギが大好きなんだ。ナギもあたしを嫌いじゃないと思う」
「何年か前にずいぶんと騒がれた時はまさかと思ったが、今日のおまえたちを見て確信したよ。
おまえたちは、本当に互いを信頼し愛おしみ、慈しみあっているのだな。
私と美子とはずいぶんと違う」
お母さんの名前が突然お父さんの口から出たから、あたしはすごく驚いた。
まさか、お父さんが自分からその事に触れるなんて思ってもみなかったから。