オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】



この経理部長さんは決して小心者じゃない事は、今朝の挨拶の様子から察せた。


体格の割にテキパキと仕事をこなし、部下には容赦ない叱咤とともに激励をしてた。


どちらかと言えば部下に恐れられる怖い上司タイプなんじゃないかな。


だけど、その人が、20歳は年下のナギの一瞥だけで縮こまってる。


ナギの視線や雰囲気って、どこまで迫力があるのかな?


それがまた頼もしいんだけどね。


「どれぐらいの時間があれば用意出来ますか?」


「……い……1時間もあれば……」


ナギの静かな問いかけに、経理部長さんは更に頻繁に汗を拭く動作をする。


「遅い。20分で用意してください。今からきっかり20分後に取りに来ますから」


ナギは腕時計を見遣ると、呆然とした経理部長さんを残してさっさとフロアから出てった。


あたしは訳が分からなくて、ぺこりと頭を下げてから慌ててナギの後を追った。


「ちょっとナギ、あれは一体何のこと?たいしゃくなんとか……って?」


あたしは息を弾ませながら、早足のナギに訊いてみた。


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