【短】叶うなら
次に加奈ちゃんの発した言葉に俺は放心するしかなかった。




『結衣は・・・転勤しました・・・』




「はっ・・・なんなの?冗談きついよ・・・」




『じょっ冗談なんて!!・・・言うわけないじゃないですか!!』





なんて事だ・・・




『結衣は最後に哲也さんに会いたかったんです・・・。でも、哲也さんが結衣に言ったんですよね?“会いたくない”って・・・』




それは・・・




加奈ちゃんは続けて言った。




『結衣はあたしに言ったんです。あの部屋はまだ残しておきたいから、住んでくれないか・・・って。』




「だから、加奈ちゃんが一人暮らしを?」




『はい。』










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