PURE~君想う空~
「よしっ、帰るか。直人は水のバケツ持って?」


「はぁ~い。」


丘を下りて、駐車場に停めてある、水色の車。


あなたの好きな水色。


あなたのバイクと同じ色。


「亜紀ぃ、お腹空いたぁ。」


チャイルドシートに座った直人が、足をバタバタさせた。


バックミラー越しに直人を見て


「直人、亜紀って呼ぶの止めてって言ってるでしょ?
ママにチクるよ?」

「だって、亜紀じゃん。」


ったく……。


私は、あんたの友達か?


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