王子に姫の恋情を…
「で、ここに来た理由は何だよ
それとその制服どこから調達してきたんだよ…」
もう感心を通り越して呆れるほど女装が板についている
どっからどう見ても男に見えねえだろこれ
『ここに来た理由は彼方兄ちゃんの彼女見たかったからでーす!』
『服は千秋(チアキ)ちゃんのお古借りちゃった~!』
千秋はこいつらの兄貴の稜雅と同い年で幼馴染
必然的に稜雅と双子の従兄弟の俺はたびたび遊ぶようになったから
千秋のほうが1つ年上だけどもうすっかり女友達みたいな感じだ
「何でそこまでして女装にこだわる訳?」
思わずそのぶっ飛んだ思考回路にため息をつきたくなるよ
『はいはーい!』
『良くぞ聞いてくれました~!』
俺のその言葉を聞くと一気に嬉しそうな(ニヤついた)笑顔を見せる2人
…ものすごく
嫌な予感
『ねえねえ、彼女さんの嫉妬した顔見たくない?』
「は?」
…やっぱり
ろくな事考えねえよこいつ等
しかも顔超真剣だし
そんなに俺の彼女嫉妬させたいのかよ
意味がわかんねえ