王子に姫の恋情を…




『お願いだよぉ~!彼方兄ちゃんもさ、彼女がヤキモチ妬いてくれる所見たくないの?』



「うっ…」



それは…見たい



いつも意地っ張りな由香里はほんのたまに素直になってくれるけど


それが俺にとってはメチャクチャ可愛い…



ヤキモチなんて妬いてくれた所一度も見たこと無いけど

それはそれで…





ゴクッ


思わず唾を飲み込んでしまった





「…虐め甲斐があるな」


『彼方兄ちゃん…』
『頼むから犯罪の域には行っちゃわないでね』






不敵に笑う俺を見て

彩雅と清雅が何を思ったのかは分からない…






『じゃあ今から始めるけど』
『特に何も口出ししないでね!』



最後に女口調で清雅が閉めると


2人は空き教室からバッと飛び出していった





「はぁ!?…おい、待てよ!」






教室の近くまで来てやっと2人を捕まえた俺は

これからのことを想像してどっと疲れていた









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