高校生ダ~リン~ポチクミの真面目な恋の物語~
あがる間際だった。


カートを持って入ってきた
客の気配に気がついた。

「いらっしゃいませ。」


「ポチ・・・」


「くみちゃん!!
どうしたの?」


「買い物しがてら
ポチを迎えに来た。
この時間ならあんまり
目立たないでしょう?」



思いがけない
出来事に子供のようにウキウキした。



頭に雪がついていた。


「雪降ってんだ?
寒かっただろ?」


「ううん。ポチに会いに行くと思ったら
ちっとも寒くないし
雪もキレイだったわ。」


俺は頭についた雪を
ほろった。


「あ、ほら仕事仕事!!
入口で待ってるからね。」


にっこり微笑んで
くみちゃんがカートを押して
歩いていった。


後ろ姿を見送って
一瞬にして嫌なことを忘れた。
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