汚れた街の汚れなき天使
「こんな情けない俺だけど、もう一度付き合ってもらえませんか?」
達也が……頭を下げてる。
「今更……なんで……」
「償いとかそういうんじゃないんだ。合わす顔がないってずっと思ってた。だけど、愛美の事忘れた事なかった。……本当は……ずっと好きだった」
あの子が全てを奪っただなんて……アタシが全部間違ってたの???
……んな訳ないじゃん。
裏切ったのは達也。
それだけ……。
なのに。
今でもその深い黒い瞳に惹かれるのはなんでなの??
「アタシ今はこんなギャルだし……達也と違うよ?」
事実、達也の進学したのは地元でも有名な進学校で……アタシは誰でも入れるアホ学校。
ギャルサー入って、アイメイク命で、巻き髪盛りまくって、見た目だけなアタシ。
現実にそれを非難する人も多いけど、お兄ちゃんや家族は何も言わなかった。っていうか変わらず接してくれた。
でも、貴方は……違うでしょ?
もう、昔のアタシになんて戻りたくないし……今更戻れないよ。