汚れた街の汚れなき天使




俺が今までまりあに手を出さなかったのは、客と違うところを見せたかったからで。



体なんてなくても心が通じ合うことが幸せなんだと教えたかったからで。



…………。




綺麗事を並べても俺だって男な訳でそんな隣に座られたら……。





「キスしていい??」




「んっ」




小さな唇を迷いも無く差し出す。




今までとは違う。




俺だけの唇。





肩に手を回そうとした時





あれ??


ぽすっ???





気がつくと俺の体はベッドに転がされていて






「唇も火傷してるからねっ。薬塗らなきゃ!!」





思い出したようにぬりぬりチューブから繰り出される軟膏……。





俺……一体いつになったらまりあの事抱けるのかな!?







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