汚れた街の汚れなき天使



変わってしまった啓介の風貌と琴美という知らない名前。



そして……幸は俺を恨んではいなかった?



俺の本音を話せなかったのは残念だけど……言葉に甘えて今度手を合わせに行こう。

そして聞いてくれ。

幸をちゃんと愛していたと。




「啓介〜遅くなってゴメン」



不意に声がして……そこにはベビーカーを押した女性と赤ちゃん。



この人が?琴美??



「おっ来たな〜琴美!俺のねーちゃんと娘の琴美。毎日夜泣きが酷くってよ〜おかげで痩せちまうし寝不足だし」




(まさかっ……!!)



「幸そっくりだろ??」



思いがけない現実に涙腺が緩む。




そっか。

幸はまだ生きてるんだ。

小さな魂になって、啓介を支えている。



「啓介!声かけてくれてありがとな」


「礼なんかいらねーよ。ただしもう逃げんなよ?もし次にお前に何かあって逃げられてもさすがに俺には琴美がいるからなぁ……とても奪ってる場合じゃねぇ」



わかったよ、啓介。


俺は逃げない。


絶対にあの娘と向き合ってみせる!!!



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