汚れた街の汚れなき天使


「えっとねぇ……こっちかも」



「やっぱりそっちかも……」



不安そうに次々まりあが指差す方向へウインカーを出し曲がる俺だけど。



いつになったら着くのやら……。




「ごめんねぇ、海人。車だと良く分からなくって……」



聞けば移動はいつも電車かタクシー。そのタクシーの社内でもすぐに寝てしまい風景なんて知らないとか。



まりあだから何があっても怒りゃしないけど、普通の女だったら



「自分の家ぐらい覚えとけー!!!」



って突っ込んでるな。きっと(-"-)




「じゃ、いつも降りる駅教えて。そっからなら分かるでしょ?」



「ホントだー!!海人頭いいねっ♪」




そうして案内されたその家は……とても古びれていて、とても裕福そうには見えなかった。





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