汚れた街の汚れなき天使




俺の腕のなかでまだひくひくと肩を震わせる君。その頭上から更に知らなかった事実を聞かされる。





「お母さんは可哀想だったなぁ……」




「え???」




「過労死だとよ」






そんな……。



なのに。



君は



あんな汚れた街で



一人笑っていたのか???






「まりあ?俺のところへおいで」



「俺達がオヤジさんは説得してやるから安心して海人に甘えてみ?」




その言葉に、まりあはやっと笑顔になって頷いた。







「海人のところに行く!!」








全ては完璧な計画……な筈だった。






< 83 / 215 >

この作品をシェア

pagetop