KISS OF LIFE
「きゃーっ!」

資料室スクリーム。

映画にしたら、観客はゼロだ…と頭の中で思うあたしはバカだ。

悲鳴をあげたご本人は真っ赤な顔をしながら、思いっきりドアを閉めた。

わー、今日は大変だ。

冷静に物事を考えるあたしは、ある意味ホラーである。

「んっ…何かあった?」

寝ぼけた目をキョロキョロさせながら、淳平が言った。

あっ、今起きたのね。

「彩花、何かあったの?」

はい、ありましたとも。

あなたの意識が夢の中にいる間、ありました。

「淳平」

「ん?」

「ここを出る前に、言い訳を考えた方がよろしいと思います」

別の意味で今日と言う日は忙しくなるなと、あたしは思った。
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