KISS OF LIFE
彼女には相当痛かったらしい。

ある意味ご愁傷様だ。

「あっ」

あたしはふと思い出した。

「ねえ、東雲主任の飼い猫って…彼女のことだったの?」

「それは、どう言う意味で?」

あたしの質問に、七海が苦笑した。


「あー、明日は休みだー」

外に出るなり、両手を上にあげて伸びをしたあたしはおっさんだ。

「久々にどっかに出かけようかな」

基本、休日は決まってヒッキーなあたしである。

ケータイ小説を読んで過ごしていますけど、何か?

そう思いながら周りを見た時、ある人物の姿に目を止めた。

「課長だ」

南野課長がいた。

誰かを待っているのか、落ち着かなそうにキョロキョロしている。

あたしの姿には全く気づいてない様子だ。
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