スキャンダル×スキャンダル
『お見合い…かぁ…』
結局、色々と考えてる内に眠れなくなり、次の日になってしまった。
『はぁ…』
お見合いとか絶対に嫌だ。
でも溜め息なんてついてても仕方ない。何も変わらない。
よし!逃げよう!
そう自己完結して、張り切って走り出そうとした瞬間、鬼へと化した母さんが腕を掴んできた。
痛い痛い
「…紗羅」
こ、怖い。怖すぎる。
『ちょっと!痛いってばっ』
母さんは、自分の右手にある腕時計をチラッと見てから、直ぐにあたしを見た。
「さぁ、行くわよ♪」
そう言った母の顔は今まで見たどんな顔よりも楽しそうだった。
『いーやーだー!!』
反論の余地もなく、結局あたしは連れて行かれた。
『はぁ…最悪…』
今日は友達の美雨とショッピングに行くつもりだったのに。
『はぁ…』
もうため息しか出ない。
美雨に助けを求めようとしたが、ケータイを取られている事に今更気付き落胆した。
助けを求めるのは不可能…か。