桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜



え………



後ろを振り返り、声の主を見上げる



そこには料理を乗せたおぼんを持った女が立っていた。


女は長い紫色の髪を右下のほうで一つにくくって肩にながし、私より少し丈が長めの鮮やかな花の刺繍が入った紺色の和服を着ていた。




眼鏡の奥にある紫色の瞳が優しく弧をえがく



・・・誰だ、コイツ?



「そんなに警戒しなくても何もしないわよ」


顔に出てたのか女は苦笑いを浮かべると、私の許可なく隣に座った


私は警戒しながらその女を睨み付ける。



「自己紹介がまだだったわね、私は初花(ウイカ)。よろしくね、龍神の神子様」



「ッ、なんでそのことを!?」


「あら、知らないの?神徒全員には知らせてあるのよ。支援組に話したら大騒ぎになるから言ってないけど」



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