桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜
「そういえば、桜の髪って珍しいよな?」
"髪"
その言葉にビクッと体が揺れる。
「あと目も。俺、赤い目と髪って見たことねえんだよなぁ。いいな〜うらやましいな〜」
私はその言葉に驚き、深影に目を向けた。
「うらやましい、だと?」
「うん。だって桜の色、すげぇきれい」
そう言って、私の髪を一束取った深影は私に笑ってみせた。
深影の言葉に私は頭の中である思考が駆け巡った。
私の髪と目が綺麗だと…?
私はフッ…と鼻で笑い、深影の手を払った。
「私の髪と目が綺麗だと?笑わせるな。」
だって私の"赤"は禁忌の"赤"
誰からも存在を認めてもらえず、忌ましめられる存在
「私を綺麗だと思う奴なんかいるはずがない。」
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