桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜



「うそつけ。こんな血のような色の髪と目。誰が綺麗だと思う?」


その笑みに目を見開いたが、私はすぐ無表情に戻り、真正面の障子を睨み付けた。



もし、誰か一人でも私を綺麗だと思う人がいたら、私はこんなに孤独を感じなかったし、誰かは私を愛してくれたはずだ。



でも、私が泣いてた時に誰が傍にいてくれた?


誰が私を愛してくれた?




誰もいなかった。



泣く時も一人だったし、愛されたことがないから人の愛し方も分からない。



こんな人間を誰が綺麗と思う?


私は膝と膝の間に顔を埋めた。



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