桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜
そこに立っていたのは、赤色の着物を着た端正な顔立ちの男。
赤くて長い髪を後ろに緩く結んでおり、炎のような赤い瞳が印象的だった。
だが、その容姿がどこか私に似ている。
まるで、双子のようだ。
それより
どうしてこの男の気配を感じれなかった……?
「……お前は誰だ?」
私は男を睨みつけながら、いつもより声を低めにして訊ねた。
『そんなに警戒せずともよい。我は、神子の味方だ』
「味方?くだらない。そんな冗談、休み休め言え。そもそも私はお前を知らないし、私は"みこ"という名前でもない」
男はそんな私の言葉にも顔色一つ変えず、むしろ余裕な表情を浮かべた。
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