桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜




その後、私たちはしばらく廊下を歩き続けた。



私は広い中庭の方を眺めながら歩く。



さっきまで朝だったのに、いつの間にか夕方になっていて、庭にある桜や色とりどりの花が茜色に染まり始めていた。



本当に綺麗な庭だな・・
また後で行ってみるか



そう思った時、急に音祢の足が止まった。


「ここが桜ちゃんの部屋よ」



私は「は?」と言って、庭と反対側の方に視線を向けると、目の前には一つの部屋があった。



「私の部屋?」



ここが・・・?


しばらく目の前の部屋を傍観する私。



まさか、部屋まで用意してあるとは思ってもみなかったからだ。




「気に入ってくれたらいいんだけど・・・」


と心配げに音祢は部屋の障子を開けた。



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