それでも、すき。
「ゆのっ!!!」
背中に香椎くんの声を聞きながら、あたしはファミレスを飛び出した。
涙が、冷たい夜の風に沁みる。
それでも涙は
止まらなかった。
…嘘つき。
『…本当、に……?』
『うん、本当。』
……ウソツキ。
『全然……知らないんだよね?』
『うん。』
うそつき―――。
『うん、信じて。』
…でも。
「……っ!」
景色が、滲んでゆく。
ココロが、痛い。
『――香椎くんを、信じる。』
本当の嘘つきは、あたし。