苦しみ
「ねぇ、好き?」

「ん?、うん。」

「ねぇ、愛してる?」

「ん?ああ。」

そんな面倒な質問を何度もしてくる人と出会ったのは

僕が社会人になって3年目の頃だったと思う。

コンパで僕の友達にお持ち帰りされて

半年間2番目の女として僕の友達につくして

嵐のような恋愛に疲れた所に、

僕がスっと手を差し伸べたら

彼女は僕の手をギュっと握り返した。


あの頃の僕の恋愛はいつもそんな感じだった。

カッコイイ訳でも無くて、

面白い訳でも無くて、

お金がある訳でも無い僕が

効率良く女の子を手にするには

幸いな事に僕の周りに沢山いる悪友を利用する以外に無かった。

足が細くて長い人

何を見ても「カワイイ!」と言う人

サラサラの長い髪の人

クラシックが好きな人

一年前に離婚した人

色んな人と出会った。

顔も名前も覚えて無いけれど。

きっと彼女達の記憶に、

僕はカケラも残ってないだろうけれど。


面倒な質問を何度もしてくる人と付き合いながら

僕は彼女の目を盗んであの頃流行り始めてた

出逢い系サイトで遊べる女の子を探してた。

胡散臭い請求のメールが届いたり、

訳の分からない広告メールが大量に送られてきて

その割に全く女の子を引っ掛ける事が出来ないので、

もうウンザリし始めた頃に


あの人と僕は繋がった。



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