キャンディー
もしかしてあたし、



とんでもないところに来ちゃった?




一瞬にして顔を青ざめるあたしに、生徒くんはかなり焦っている。



いや、不良に焦られるとこっちが焦りますって。




「マジで大丈夫?
保健室とか行ったほうがいい?」



「…それよりも」



「それよりも?」



「職員室に連れて行ってくれないか?」




一刻もこの場所から立ち去りたかった俺は、生徒くんに職員室まで案内してもらうことにした。



だって、不良生徒くん達にジロジロ見られてる気がするんだもん。




「そういえば見ない顔だけど、もしかして転校生?」



「まぁね…」



「そっか!よろしくな」




苦笑いのあたしに笑顔の生徒くん。



もしかして、見た目ほど悪い人でもなさそうかも。



歩くのもあたしのペースに合わしてくれるし、こころよく職員室に案内してくれている。




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