私は大事なそっくりさん
「由姫~! 泣いてたって始まらないよ。もう諦めようよ」
そんなこと言ったって、すぐに諦めつかないよ。
「よしよし、いい子だ。今日は私が何か奢ってあげるからさ! 」
私の背中を撫でながら、夏は親指を立てにっこりと笑った。
「えっ、本当に!? 」
私は思わず顔を上げた。
あの倹約家の夏が奢ってくれるなんて。
「おっ、乗ってきたか? 」
「…明日は大雨かもしれないね! ねぇ、どこ行く?? 」
「失礼な! やっぱり奢るのやめようかなぁ~」
こんなチャンスめったにないよ。
「じゃあ、新しくできたミスドに行こうよ! 」
「うんっ、やった~!! 」