私は大事なそっくりさん


そんな私をよそに涼にーは爽やかな笑顔で近づいてくる。




「由姫、どした? 寝不足か? 」




涼にーは私の顔をまじまじと見る。




……近いんだって。




どうしても慣れることが出来ない、この至近距離。




一ヶ月たった今でも、涼にーの適度なスキンシップでさえ心臓が爆破寸前なんだ。




ほら、またおでこをくっつけようとしている。




「熱でもあるんじゃないのか? 」




コツン。




ひんやりとした涼にーのおでこと私の爆破寸前のおでこがくっつく。




「………37.0℃とみた。微熱だな、大丈夫か? 」




涼にーは、おでこで体温がわかるんだって。




さくらさんは体が弱かったから、よくこうして熱を測っていたんだ。




って初めてこれをやられた時に教えてくれた。




最初は本当にびっくりしたよ……



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