私は大事なそっくりさん


「私の平熱はそれくらいだから、大丈夫だよ。それより私、遅刻しちゃうよ」




涼にーのせいで熱があるんだ。なんて言えるはずがない。




「体調が変だったら帰って来いよ。じゃあ、勉強頑張るんだそ~! 」




「はいはーい。涼にーこそ、学校行かないの~? 」




私は歩き出しながらさりげなく聞いてみた。




だって涼にーが学校に行こうとしているのを一度も見たことがない。




高校生だってことは、聞いたことがあるけど……




涼にーの制服姿………




カッコいいだろうなぁー……




「俺は、今日は休み。微熱があるから! 」




微熱があるのは、私でしょう?




あんなにおでこが冷たかったのに、微熱なはずないじゃん。



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