私は大事なそっくりさん


制服のポケットから取り出した携帯を開き、半強制的に登録した番号をプッシュした。





あんなに私、積極的だったのに。




『涼にーさんッ!! 携帯の番号教えてよー!! 』




『いいよ。えっと、コレどうやって見るんだっけ? 』



『もう、私がやる! 貸して!! 』




『あっ、ありがとう。さすが由姫ちゃん』




『えへへ、はいどうぞ!! 』




『あれ? 由姫ちゃんの番号は? 』




『私が涼にーさんにかけるからいいの!! 』



一度もかける事はなかった電話、涼にーは出てくれるのかな?



____プルル、プルルル……



長く感じる呼び出し音が余計に私を不安にさせる。




お願い、出て。




涼にー。
< 68 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop