私は大事なそっくりさん
腫れた目を誤魔化すために、洗面台で顔を洗ってから、ゆっくりと教室へと向かった。
「由姫ッ!! どこ行ってたの? 」
「具合でも悪いの? 」
あたしが席についてすぐに、夏と萌歌はあたしの席に駆け寄って来た。
「ううん!! ちょっとお腹痛くてね……」
「あー女子なのかぁ。大丈夫? 」
適当についた嘘を間に受けてしまった夏は本気で心配してくれた。
「うっ、うん……」
「そういえば、痛み止めあったけどいる? 」
萌歌はどこからか、痛み止めを出してきた。
こんなに心配してくれてるのに、あたし勝手に一人ぼっちだと思ってた……。