ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
さてと。

水を飲み、心を落ち着かせた。

親父のことだから、俺が実家に乗り込んでくることは予想しているはずだ。
もしかしたら、何か仕掛けてくるかもしれない。

それに対してこっちは秘策も何もないが、今日のチャンスを逃せばまたしばらく会えない可能性が高い。
何が何でも話をしないと…。



しばらく部屋で1人静かに待っていたら、プルル…と内線が鳴った。

『旦那様が帰られました』

「分かった。ありがとう」


よし。

スーツをビシッと整え、気合を入れて部屋を出た。

階段を下り、急いで玄関の方へ向かうと、ちょうど親父が樋口さんを従えてこちらに向かって来ていた。


「よお、銀次。相変わらずタイミングがいいな」


俺が声をかける前に親父は先に気づき、ニヤリと嫌な笑みを浮かべた。この顔は何か企んでいる時の顔だ。


「今日こそはちゃんと話を聞いてもらいます」

「まあそう焦るな。応接室で待ってろ」


そう言いながら親父は俺の横を通り過ぎていった。


あの顔……とてつもなく嫌な予感がする…。


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