ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
皆が騒ぐ中どうにか授業を終え、休憩中にもかかわらずすぐさま結衣をいつもの場所に呼び出した。

誤解は早く解いておきたい。教室に入ってきた結衣の肩をガシッと掴み、必死な形相で詰め寄った。

「結衣!!清川が言ってたことは全てデタラメだ!!誤解だから!!」

「別に、気にしてませんから」


グサグサァッ!!

そ、それはそれで傷つく…。正直、少しは気にして欲しかった…。

無表情のまま平然と言う結衣にガックリと肩を落とし、掴んでいた手をずるずる離した。


「そ、そうか…。気にしてないのか…」

「用が済んだならもう戻っていいですか?」

「ちょちょちょっ!!…ちょっと待ってくれ!!」

さっさと帰ろうとする結衣の腕を掴み、慌てて引き止めた。そんなにすぐ帰らなくてもいいじゃねえか…。

まだ何か?といった表情で俺を見る結衣に、くじけそうになりながらも口を開いた。
俺のこと大して気にしてないならついでに言ってしまおう。


「じ、実はな…ちょっと野暮用でこれから毎日実家に寄らなくちゃいけないんだ…」

本当のところは、うちの会社と藤堂商事に行って、親父と藤堂社長に会えるまで通うつもりだ。

婚約をなんとしても白紙に戻さないといけない。


何も言わずパチパチと瞬きをしながら俺を見る結衣に続けて言った。

「だ、だから…その…放課後は俺んちで待ってなくていいから、まっすぐ家に帰れ」

自分で言っててツライ…。しばらく夜は結衣に会えなくなる…。でも、これも結衣との未来のためだ。我慢するしかない。


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