ダイスキ熱愛先生！～溺愛教師の不純!?な個人授業～

そして、司会の声とともにパーティーは始まり、盛大な拍手と眩しいフラッシュの中、藤堂蘭子の登場をエスコートするため一緒に歩いた。

少しでも抵抗を、と若干距離をあけて歩いていると、藤堂蘭子がグッとムリやり腕を絡んでくる。

「ちょっと…!!」

「シッ！笑顔で!!」

仮面のような笑顔を貼り付けたまま厳しい口調で俺に言い放つ藤堂蘭子に、ピキッと青筋を立てながらも、ぎこちない笑みを作った。


そして会場が和やかなお祝いムードに包まれる中、藤堂蘭子の挨拶が終わり、藤堂社長の挨拶も終わり、しばし歓談の時間に入った。その間もずっと藤堂蘭子は俺を皆に見せつけるかのように寄り添っている。


「そろそろ勘弁してください…」

もういいだろ…。当然だが、周りから興味津々の目で見られている。その視線に耐えかねて藤堂蘭子に申し出るが、「まだですわ」と聞き入れてもらえない。


そのうち、周りから質問が飛び交い始めた。

「蘭子さんにそんな素敵な恋人がいたなんて…」

「もしかしてその方、三神グループの…!?」

藤堂蘭子のご令嬢仲間だろうか。羨望と嫉妬が入り混じった視線がぶつけられるが、藤堂蘭子はそれにクスッと微笑みを返している。

本当に俺を見せびらかしたいだけなのだろうか…？