ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~

それぞれの戦い

それから特に何の動きもなく、数日が過ぎた。親父が何か仕向けてきた様子もなく、いたって平穏な日々だった。


親父のことだから結衣のことはとっくに調べ上げているはずだ。俺も知らない細かなところまで。親父はそういう奴だ。

まだ何も動いてこないとはどういうつもりだろうか…。何か企んでるのか…?それとも、水面下ではもう動き出しているのか…?



俺の方から親父の元に乗り込もうかと思ったが、今回は直接結衣が絡んでいるためヘタに動けなかった。逆上させてとんでもないことをされたらまずい。
とにかく今は樋口さんに動向を探ってもらってるだけだ。


あの日から、なるべく1人にさせないように夜以外も家や学校までの送り迎えをしていた。結衣にはかなり嫌がられたが、絶対に譲らないと勝ち取った。




「先生?また何か考えてる?」

運転しながら黙り込んで考える俺に、助手席にいる結衣が話し掛けてきた。

このところずっと警戒して表情も硬くなっているため、結衣も心配している。


「いや、何でもない」

「…そう?なら、いいんですけど…」


完全に怪しまれている…。
じーっと結衣からの視線を感じながらも、適当にごまかしてその場をやり過ごした。

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