ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
こうして、相変わらずの攻防戦を繰り広げながら学校に到着し、結衣は教室へ、俺は職員室へとそれぞれ向かった。


卒業式だからだろうか、校内は緊張感が漂っている。いつも賑やかな職員室も、今日は静かだ。


「いよいよ卒業ですね…。あっという間だったでしょう?」

「そうですね…」

「三神先生ともお別れですね。寂しくなりますね…」

「えぇ…」

芝内先生がしんみりとした表情で話しかけてくる。


俺も、教師は今月まで。3年生皆と一緒に卒業ということになる。赴任当初は嫌々教師をやっていたが、今思うとそれなりに楽しかったかもしれない。慕ってくれる生徒も、何だかんだ言いながらも皆可愛かった。まぁ…クソ生意気な奴もいたが。

そして何より、結衣に出会えた。恋に落ちて、葛藤して、嫉妬して…。すべてが初体験だったように思う。


そんな教師生活を感慨深く思い出していると、栗原先生がいつもの調子で話し掛けてきた。


「三神先生とお別れなんて寂しいですぅ。もっとここにいてくださいよぉ〜」

「いや、そういうわけには…。僕、臨時ですし」

「次はどちらの学校に行かれるんですかぁ?」

「さ、さぁ…。ま、適当に探します」

というか、会社に戻るだけだ。


そういや、俺のポジションはまだ残ってるんだろうか…?親父のことだから、ちゃんと手配しているのか怪しい…。あとで確認しなければ。


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