ダイスキ熱愛先生！～溺愛教師の不純!?な個人授業～

あぁ…理事長挨拶か…。これこそどうでもいい…。

再び眠りに入ろうかとしたら、隣にいた栗原先生がバシバシと俺の肩を叩いてきた。

「……何ですか？」

「三神先生！理事長超ダンディーですよ!!」

ダンディーって…。あれのどこが…。

興奮気味に頬を染めている栗原先生に、「そうですか？ただのタヌキ親父にしか見えませんよ」と冷静に返した。
そんな俺の言葉も、栗原先生の耳にはもう入っていない。

ふと、周りを見てみると生徒たちも興味津々に挨拶を述べる親父を見つめていた。

「渋くない!?」
「超ステキ〜」

おいおい…。どうなってんだ…。こいつら皆目がおかしいな。

あきれ気味に周りを見渡していると、親父の挨拶は早くも終盤を迎えていた。どうやら、そんなに喋ることがないらしい。


「――――…私の祝辞とさせていただきます」

締めの言葉に会場から拍手が沸き起こり、司会も「それでは…」と次に進めようとしたその時、「あ、そうそう」と親父は思い出したように口を開き始めた。


「うちの愚息が1年間お世話になりまして。生意気なバカ息子で皆様にさぞ迷惑をかけたことでしょう。ハッハッハ」


……眠気は完全にフッ飛んだ。