ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
ゆっくりゆっくり車を走らせたはずなのに、あっという間に桐島の自宅に着いた。


「三神先生、ありがとうございました」

ペコリと頭を下げながら車を降りる桐島が名残惜しくて、俺も一緒に車を降りた。

「えっ!?先生、わざわざ降りてこなくても…」

「いいから。…今日、お母さんは?」

「今日はお休みだから、ご飯作って待っててくれてます」

「そっか…」

…名残惜しいからといって、いつまでも引き留められない。


「…なぁ、桐島。握手してくれる?」

手を繋ぎたい…。そう言うと、きっと断られるだろう。

「…握手?…何でですか?」
不思議そうな顔で俺を見ている。

「また明日、の握手」

そう笑って右手を出すと、桐島も不思議そうにしながらもおずおずと手を差し出してきた。


その手をギュッと握る。

小さくて、柔らかい桐島の手は、俺の手にとても馴染んだ。


激しく刻んでいる俺の鼓動も伝わっているのだろうか…。

例えそうだとしても、このまま、ずっと離したくなかった。


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