上弦の月と下弦の月
最後の名の部分は、何故かそこだけにじみ読み取ることは出来なかった。
「…急いで書いたのかな…話がごちゃ混ぜだ…。」
少年は静かに涙を流した。
その姿を見て養父は困った顔をし、養母は心配そうに見つめた。
「俺を拾ってくれた2人に手紙を書いた人も感謝してるよ。」
少年は涙を拭いてほほえんだ。
たぶんこの手紙を書いたのは父親の方だろう。
女性の字にしては力がありすぎる。
少年は読み取れない真名を少し残念に思いながら、手紙を元通りにした。