屋根ウラの天使




「じゃあなっ

かおるっ」


天使は屋根ウラの窓を開いて、

窓の外にふわりと出ると

最後に

窓際まで追いかけた私を振り返る。


「天使、…」


友達になってくれてありがとう、

ひとりぼっちの時にそばにいてくれてありがとう。


色んなありがとうが次々に浮かんだけど

うまく言葉にできなかった。



「かおる、これは二人だけのヒミツだぞっ」



月明かりしかないから

良くは見えないけれど

天使の瞳も

頭上の輪に負けないくらい

キラキラと輝いていた。


涙のせい?

それとも…




< 228 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop