指折り★Holiday


頬には、譲輝くんの髪が当たる。



爽やかなシャンプーの香りがして、
ドキドキが加速する。



「もうだめっぽい」


「へ?」



「アンタがいない毎日が、
わからなくなったみたい」



囁くように呟かれた、
何よりも甘い言葉。



心臓がドキドキしすぎて、
呼吸すら上手く出来ない。



いいの? 期待しちゃうよ?





譲輝くんは、あたしが好きだって。




あたしは今まで、
この気持ちの名前が分からないでいた。




――――でも、今わかった。




「ねぇ、譲輝くん」


「ん?」


「前に教えてくれたよね。
“譲らない輝き”のこと」


「うん」


「それ、あたしのもできたよ。
あのね――――――」



あたしの譲らない輝き。



それはきっと、
どんな携帯小説に出てくるより素敵な



―――譲輝くんへの恋心。



★END★
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