指折り★Holiday




「俺の為だって、わかってた」



手に感じるぬくもり。



そっと眼を空けると、
遠慮がちにあたしの手に譲輝くんの手が添えられていた。




「それでも、思ってたより堪えて。
アンタに八つ当たりしたんだよ」




あの時と同じ表情。

その顔は、
自分に向けたものだったの・・・・・?




「もう、関わらない方がいいと思った。

アンタを泣かせたいわけじゃないし、
元の生活に戻るだけだからって。



――――――でも、」




ぎゅっと強く握られた手。




引っ張られて、
前へと身体が移動する。



中腰になったあたしの身体。





肩に乗っかるのは、
譲輝くんの頭。




「ゆっ、譲輝くん!?」




肩におでこを押し付けて、
もっと強く手を握られる。




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