指折り★Holiday




小さく、あたしにしか聞こえない声で、
“心の叫び”を外に漏らした。




あたしがいつも家に帰る時間は、
7時から8時のあいだ。


いつも、いつも。






“家に帰れない”理由を探してた。





あたしのお父さん。


あたしのお父さんは、
結構、有名な政治家だったりする。




家も何気にでかくて、
不自由はしてないと思う。




だけど、いつも感じる“不自由”。




『それでも、俺の娘か』

『何であんな高校なんだ』

『今、忙しい。後にしろ』




ここ数年。


あたしには、
これしか言ってくれなかった。




息が詰まる。

疲れる。



――――もう家に帰りたくない。





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