指折り★Holiday




大声でそう言った綾乃。




それを阻止しないあたしは、
多分、綾乃よりこの点に驚いてるから。




「ちょっと、すごいじゃん菜子。
あんた、やったら出来る子だったんだねー」



「あぁ・・・・・・ハイ」



「何で放心状態なの?」





いや、だってさ。



確かに勉強はしましたよ?



でもいくらしたからって、
いきなりこんな点はないでしょ。




あたしの平均、60点だよ?






「あたし無意識のうちに、
カンニングとかしてたのかなっ!?」



「どんだけ自分に自信がないのよあんたは」






学校の帰り道。


まるで鞄には札束が入ってんじゃないかってくらい、きつく鞄を抱き締める。




足取りはかなりおぼつかなくて、
酔っ払いにでもなった気分。




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