君を追いかけて
ーーーー「いやー、あんた最悪な席だねぇ」
席替えが終わり次の授業へ移る間の10分休み。
あたしの親友、坂口星羅があたしに言ってきた。
星羅とは小学生からの幼なじみで、未だに仲がいい。
強くて、可愛くて、頼りになる子なんです。
「最悪な席だよホント…周り地味な男子だし」
あたしは自分の机ではーあ、と溜め息を吐く。
「あ、でもさあ、菜実の隣の席の湊って奴。意外とイケメンじゃない?」
「……はぁ?」
あんな真面目くんをイケメンなんていう星羅にビックリした。
「はあ?って…アンタ、絶対湊みたいな人タイプだと思うんだけど」
…今まであたしの何を見てきたのよ星羅。