君を何度も~俺様☆天然~
結局、朱音からは何も聞き出せず帰ってきた俺。

あー…情けねえ。

そう思いながら重いドアを開ける。



「陸っ!!」

前にヨッシーがバンッと開けた。

てか近っ!!!

「……用があるなら一歩下がれ。」
鼻息荒いぞ、ヨッシー。


「陸、お前もう砂田とかにデートの約束したんだな!!」

「………はぁ??」

「しかも場所はデートスポットで有名なアミューズメントパークだろ!?」

「………おい。」

「さすが陸だよな。

場所も日時も完璧なセッティング……。」

「おい、それ誰から聞いた??」

……俺の耳に何一つ入ってない単語ばっかだ。


すると後ろを通りすぎた諒弥は、


「お前以外だったら、あと1人しかいないだろ。」

と、



「………また、朱音かよ。」

朱音達の方に、視線を向けた。

あの短時間でこれだけの情報を集めきるとは、天晴れとしかいいようがない。

苦々しい奴め、と少し睨んだ瞳になると



「初デートの場所はここがいいって、新田が言い張ったらしいぜ。」


と、超驚き発言をしてくれた。


「………そう、かよ。」

元から場所決まってたのかよ。

しかも、杏の希望で。

……でもそんな事、話したっけ??

思わず杏の方を振り向くと、

「なぁなぁ!!まだお前ってデートもした事なかったの!?」

お邪魔虫がくっついてきた。

……やっぱ近いわ、ヨッシー。
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