天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
俺を見つめながら、そんなことを言う里緒。



里緒こそ、俺をドキドキさせる天才だよ。

そんな顔で、他の男のこと見つめんなよ。

その顔で見つめられたら、みんな里緒に恋してしまう。






「そろそろ時間だし、戻る?」

空っぽになった弁当箱をしまいながら、里緒が言う。


「もうそんな時間か。あっという間だな。今日も美味かったです。ありがとな、里緒。」

「へへっ。」


はにかんだ里緒の顔。


俺の心をギュッとつかんで、離さない。

こんな顔見せられたら、きつくきつく抱きしめて、キスしたい。
そして…。



ふっと、頭の中に明仁の声が過ぎった。
あの変態チックな顔もついてきて。


「学校でエッチなことしちゃダメよ~♪」



明仁のヤツ…。

あいつもエスパーか?


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