姫のさがしもの。
彼は、仕事中、
どんなに暑くても
お客さんの私の前では
上着を脱がない。
ネクタイまで外すなんて…
プライベートな証拠だと
思っていいのかな?なんて。
「もちろんです!
楽な格好をしてください」
そう私が答えると
彼は上着を
ハンガーにかけて
ネクタイをスルリと外し、
シャツの一つ目の
ボタンを開いた。
普段見慣れない
少しラフな姿。
そんな新鮮な宮岸さんの姿に
私はドキドキせずには
いられなかった。